2025年版:Uber Eatsやフードデリバリー配達員のメリット・デメリット
2025年9月更新
街中でもすっかりおなじみになったフードデリバリー配達員の姿。 これからフードデリバリーの配達員を始めようかと検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、数年前と比較してフードデリバリー業界は大きく変化しており、配達員を取り巻く環境も様変わりしています。
ここでは最新の状況を踏まえ、現役配達員の視点からUber Eatsやフードデリバリー配達員のメリット・デメリットを解説します。
フードデリバリー業界の現状(2025年)
主要サービスの状況
- Uber Eats: 全国47都道府県で展開、業界最大手
- 出前館: LINEとの連携強化で地方都市でもシェア拡大
- Wolt: 高品質志向で都心部に集中、24都道府県で展開
- menu: 全国展開から大幅縮小、テイクアウト領域に再集中
市場の成熟化 フードデリバリー市場は2019年の約2,600億円から2025年には約7,500億円規模まで成長したものの、成長速度は鈍化。配達員の増加により競争が激化している状況です。
1. メリット
手軽に始められる・初期費用が安い
UberEatsで配達員になるためには、面接なし・特別な資格不要。 登録手続きも現在はオンラインで完結し、申し込みから数日で働き始められます。
また、自転車・バイクとスマホをお持ちの方は、最低限配達バッグ(4,000円~)を用意すれば始められます。一部のサービスでは配達グッズの無料提供キャンペーンも実施されています。
準備が不要で手軽に始められるのは何よりのメリットですね。
好きな時間に働ける
フードデリバリーの配達は好きな時間にアプリでスタートボタンを押すだけで、シフトなどは一切ありません。
仕事や学校の終わりなどちょっとしたスキマ時間で稼ぎたい時や、予定が不定期なフリーランスの方の収入の支えとして空いた時間に働いたりすることができます。
空いた時間をお金に換えることができ、都合に合わせて稼働時間を調整することで収入を調整できるのも魅力のひとつです。
実は配達が楽しい!
フードデリバリーの配達はキツそうなイメージが強いかもしれませんが、実は楽しい部分も多くあります。
ゲーム感覚で楽しめる要素として:
- 経験値のように配達ごとに積み上がっていく報酬への満足感
- クエストと呼ばれる一定回数の配達をクリアすると貰える報酬への達成感
- 効率的に稼ぐ戦略を練って動く面白さ
- 街の雰囲気を感じながら自転車やバイクで駆け抜ける爽快感
始めてみるときっとわかるはずです!
2. デメリット
事故に遭うリスクがある
配達員が交通事故に遭ったニュースが継続的に報道されています。 業務の内容上、他の仕事や副業と比較して交通事故に遭う可能性が高いのは間違いありません。
保険・補償制度の充実(2025年の改善点)
- 各社の保険制度: Uber Eats、出前館、Wolt、menuすべてで配達中の事故に対する補償制度が整備
- 労災保険特別加入: 2021年9月からフードデリバリー配達員も労災保険への特別加入が可能(月額1,000円~)
- 任意保険の必要性: 業務中以外の事故や、より手厚い補償のため個人での加入も推奨
以前より保険・補償制度は充実していますが、それでも事故リスクがあることは変わりません。
収入の大幅な減少(重要な変化)
これが最も大きな変化です。
- 報酬単価が大幅に減少し、配達員の収入は全盛期と比較して25%~50%減少
- 以前は1日10時間稼働で30万円以上も可能でしたが、現在は同じ労働時間でも20万円前後
- 3,000円~6,000円の高額報酬案件はほぼ消滅
- 配達員の急増により「注文が取れない」「待機時間が長い」という問題が深刻化
体力を使う・疲れる
特に自転車の配達員は配達をすると当然ですが疲れます。 夏場の自転車と冬のバイク稼働は特に体力的にこたえます。
対策として:
- 徐々に1日の配達数を増やしていく
- 坂の多いエリアを避ける
- レンタルの電動自転車を活用する
- 複数のサービスを併用して効率化を図る
時給保証がない、収入が安定しない
配達員が受けられる仕事の件数は需要しだいで増減します。 報酬は完全歩合制ですので、注文が少ない場合や配達員の数が多い場合は収入が少なくなります。
2025年の状況
- 時給換算で1,000円を下回るケースが増加
- 配達員激減により注文を受けても配達員が見つからない事態も発生
- 競合サービスの影響で注文が分散し、個々の配達員の収入機会が減少
特別なスキルが身につくわけではない
Web制作、Webライティングなど、継続することでスキル向上につながり単価を上げることができる副業もあります。
フードデリバリーの仕事には継続してもスキルが積み上がることがありませんので、単価が上がることもありません。あくまでもアルバイト感覚の仕事と捉えるのが良いでしょう。
3. 他の選択肢も検討を
軽貨物ドライバーという選択肢 フードデリバリーの収入減少を受けて、多くの配達員が軽貨物ドライバーに転向しています。
- Amazonや楽天の配送業務では安定した報酬を確保可能
- 契約次第で「出来高制の不安定さ」を避けることができる
- 長期的に働きやすい職業として注目
4. まとめ
2025年の現実を踏まえた判断を
フードデリバリーの配達員は、依然として手軽に始められる副業の選択肢の一つです。しかし、数年前と比較して収益性は大幅に低下しており、「簡単に稼げる副業」ではなくなっているのが現実です。
こんな方にはおすすめ
- 運動も兼ねた軽い副業として考えている方
- 短期間だけの収入確保を目指す方
- 複数の収入源の一つとして位置づけている方
慎重に検討すべき方
- 主要な収入源として期待している方
- 月10万円以上の安定収入を期待している方
- 長期的なキャリア形成を重視する方
始める前に確認すべきこと
- 労災保険特別加入の検討(月額1,000円~)
- 任意保険の加入確認
- 複数サービスへの同時登録(収入機会の最大化)
- 他の副業選択肢との比較検討
フードデリバリー配達員を始めるなら、現在の市場環境を正しく理解した上で、現実的な期待値を持って取り組むことが重要です。